年始に京都に行かれるとのことで思い出した「nine hours」。
つい先日もよくしてもらっている美容室のオーナーの方とも話題になったカプセルホテル。
館内は清潔感あるのはもちろんですが、そのシンプルなデザインや細かなディテールにセンスの良さを感じます。
アメニティやなんかのパッケージングもセンス良し。
カプセルホテルってなんか陰気くさい感じのイメージがあったのですが、
この「nine hours」はその従来のイメージを覆すデザインセンスを感じ、
カプセルホテルだけど泊まってみたいと思わせます。
そして、この「nine hours」は少し前ですが、2010年のグッドデザイン賞を受賞。
そのデザイン性の高さとコンセプトが評価されています。
以下、グッドデザイン賞HPより。
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1時間のシャワー + 7時間の睡眠 + 1時間の身じたく = 9h をコンセプトに、ビジネスなどのアクティブシーンでの滞在に特化した都市型の宿泊施設です。宿泊の機能を「眠る」と「シャワー」だけにフォーカスし先鋭化しました。スリーピングポッドというFRP製の9hオリジナルのユニットで眠り、ユニット以外の場所はすべて他の宿泊客と共有するパブリックスペースです。ユニットは光で入眠し覚醒する「寝室環境システム」を採用しており、睡眠時間に合わせた良質の眠りを提供することを目的としています。9時間程度の滞在に適切な機能と設備を備えており、最大17時間まで同一料金で滞在できます。
従来のカプセルホテルのシステム自体は非常に合理的で都市の中で「眠り」のインフラとなり得るものです。日本はとても便利になったけれど、例えば終電を逃した夜に、都市の中で女性が安心して過ごせる場所はまだ少ないです。誰もが財布に持ち合わせているであろう金額の範囲内で、安全で快適な「眠りの拠点」を都市の機能に加えようという提案です。
カプセルホテルのあり方、カプセルユニット、サイン、さらにアメニティなど、すべてにおいてカプセルホテルの新しい有り様を真摯に検討し、実現している点を高く評価した。新しく作られたスリーピングポッドはFRPならではの造形性をいかした柔らかで居心地のよい空間で、そこにビルトインされた室内環境システムは生活リズムに即した光環境を無段階的にコントロールすることで睡眠・覚醒のリズムをサポートしている。枕や部屋着などあらゆる点で最上の眠りを提供することが試みられおり、カプセルホテルでありながらも、「ホテルに宿泊する以上の眠りを得ることができるかもしれない」という期待を裏切らない誠実さが追求されている。また、カプセルホテルらしい料金設定を守るために、プロジェクト全体の面積はコンパクトに抑えられているが、そうしたコンパクトさがむしろ快適に感じるように、室内の色彩計画やサイン計画が大胆かつ繊細になされている点も非常に秀逸であると評価した。
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京都に旅行に行ってわざわざカプセルホテルに泊まっていいのか?!
という葛藤はあるかもしれませんが、お仕事などで行かれた方は是非宿泊してみてください。
そして感想をお聞かせ下さい(笑)
しかし、こういった衰退事業を革新的に発展させて、
新たな需要を喚起するというのは大変素晴らしいことだと思います。
コンセプトがしっかりしているから出来ること。
そして、ブレない軸がデザイナーにはあるからでしょう。
見習いたいところです。